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​大会長挨拶

北海道大学病院
医療・ヘルスサイエンス研究開発機構

藤田医科大学
​先端ロボット・内視鏡手術学講座

このたび、2026年7月17日(金)午後から19日(日)午前までの期間、北海道大学キャンパスにおいて、第2回日本デジタル医学会 年次学術大会を開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。

 

本大会では、「Quintessence:A Digital Universe Beyond Time, Space, and Emotional Constraints」をテーマに掲げました。

 

古典哲学における「Quintessence(第五の本質)」は、地・水・火・風といった物理世界を構成する要素を超えた存在として位置づけられてきました。本大会ではこの概念を現代に再解釈し、デジタル技術を、時間・空間・感情、さらには身体的制約をも超えて人間の可能性を拡張する「新たな本質」として捉えます。デジタルは単なる効率化の手段ではなく、人と医療の在り方そのものを再構築する基盤となりつつあります。

 

現在、医療を取り巻く環境は大きな変革の只中にあります。AIやデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、診断・治療・予後予測の高度化が進むとともに、PHR(Personal Health Record)をはじめとするデータ基盤の整備が進展し、医療データの利活用を通じた個別化医療や予防医学の実現が期待されています。医療は「治す医療」から「支える医療」へ、さらに「つながる医療」へと拡張しつつあります。

 

加えて、近年ではAgentic AI(自律的に意思決定・行動するAI)や、ロボティクスと融合したPhysical AIの登場により、デジタル技術は情報処理の枠を超え、現実世界に働きかける存在へと急速に進化しています。これらの技術は、医療従事者の意思決定支援にとどまらず、身体機能の拡張や新たな医療体験の創出へとつながりつつあります。

 

一方で、デジタル医学の持続的な発展には、技術革新のみならず、適切な規制やガバナンスの整備が不可欠です。倫理的・法的・社会的課題に対応しつつイノベーションを推進する観点から、ERCI(Ethical, Regulatory, and Clinical Implementation)の枠組みや、RRI(Responsible Research and Innovation)の理念に基づく研究開発の推進が求められています。また、PPI(Patient and Public Involvement)の重要性も一層高まっており、患者・市民とともに医療の未来を共創する姿勢が不可欠です。

 

本大会では、こうした技術・制度・社会の多層的な変化を背景に、医療・工学・情報科学・社会科学など多様な分野の専門家が集い、デジタル医学の本質と未来について議論を深めます。時間や場所の制約を超え、心理的障壁をも乗り越える医療の在り方、そして人間中心の価値をいかに維持しながら技術を社会実装していくかが重要な論点となるでしょう。

 

また、本大会は研究者や医療従事者のみならず、企業、政策立案者、さらには患者・市民の皆様にとっても、デジタル医学の未来を共に考える場です。さまざまな立場の知が交差することで、新たな連携やイノベーションが生まれることを期待しています。

 

さらに、開催時期の北海道は、豊かな緑と旬の海の幸を楽しめる大変魅力的な季節です。参加者の皆様には、学術的交流に加え、北海道ならではの自然や食の魅力にも触れていただきながら、充実した時間をお過ごしいただければ幸いです。

 

デジタルがもたらす変革は、単なる技術革新ではなく、人間と医療の関係性そのものを再定義するものです。本大会を通じて、「Quintessence」としてのデジタル医学の本質に迫り、より良い未来の医療を共に描く機会となることを願っております。

 

多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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第2回日本デジタル医学会

年次学術大会
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